東日本大震災で亡くなられた方、被災された方に
お悔やみ申し上げます。


2年前の3.11。あの日、私は東京で地震にあい、大きな建物の中でたくさんの
人たちと動けなくなっていた。しばらくして広間に引き出されたテレビの映像は、
想像を絶する恐ろしいものだった。
その日から何度も続く余震、原発の被害の拡大、果てしない捜索、
難航する救出と避難が続き、そして今もまだ苦難は終わらない。

阪神淡路大震災を経験した我々にとって、この辛さはとても人事ではない。
我々にだって、いつまた起こっても不思議ではない。

大切な人々を残していかなければならないのはどんなに悲しいことだろう。
大切な人を失う苦しみはどんなに辛いものだろう。
全てを失い、それでもまだ苦難が重なる生活はどんなに重たいものだろう。

この3月11日の夜21時から、壮年部員は一斉に各家で三部経読誦を
することになった。
改めてあの出来事を思い出し、誰もがみな犠牲者・被災者のことを
自分に置き換える。
家庭を持つ壮年であれば、なお更その中の壮年の方々の気持ちを思う。

御宝前に向かい三部経を手の中に目を閉じて、その気持ちを自分の中に感じる。
そしてその悲しみが慰められ、その苦しみが癒されることを心から念じて
読誦し祈る。
残された者たちが自分たちに起こったことを受け入れ、希望を取り戻し、
また立ち上がることを心から祈る。

直接できることは少なくても、
  私たち佼成会会員には「祈る」ことができる。
  全員が心を一つにして祈ることができる。
  自宅の御宝前の前でも、みんなと一緒であることを感じる。

私たちは一人ではないことを実感する。
佼成会の仲間とも、東日本の人々とも。

あの日を境に、この国は変わろうとしてる。
  日々の家族や友人たちとの絆
  当たり前の暮らしができることへの感謝
  自然に対する謙虚さへの認識
を取り戻そうとしている。

そしてそれは私たち佼成会会員がいつも教えられ、目指してきたことでもある。

今また南海地震などが警告されている。大きな災害がいつまた来るかもわからない。
しかし起こったとしても、私たちはこの教えを胸に、必ず心を一つにして
苦難を乗り越えることを確信する。

最後に、改めて一刻も早い東日本の復興を願う。
この私たちの祈りが力となることを願う。

合掌   N(壮年部長)