支部青年男子部長 U.さんよりメッセージです。

大家好(皆様こんにちは)!
中国に来て早2年が経とうとしています。また天津に赴任して半年になりました。
こちらの冬の寒さは厳しく、10月の国慶節が終わると冬支度が始まります。
私の部屋にも空調とともにスチーム製の暖房設備を常備するほど、河も池も
ほとんど全てが凍りつく命に関わる寒さですが、逆にホワイトクリスマスが
期待できるのではと今から楽しみにしています。

今回は9月の中秋節休みを利用して遼寧省の瀋陽に行ってきました。
瀋陽は中国東北部(旧満州)の遼寧省の省都で、戦前は奉天と呼ばれ、
満州の中心地として多くの日本人が住んでいた街、1644年に北京に
遷都するまで清王朝の都、この両面を持った街です。

瀋陽の玄関口、瀋陽駅です。(南満州鉄道が東京駅をモデルに約100年前に
奉天駅として建設した赤レンガ造りの駅舎です。かつては重要な国際駅として
朝鮮半島から中国大陸やヨーロッパに向かう国際列車が経由しました。
現在も北京と北朝鮮の平壌、ロシアを結ぶ国際列車が経由する国際駅の地位を
保ち続けています。
現在は大連-ハルピンの新幹線開通に向けて改修工事が進められており、
更に発展した瀋陽駅が期待されます)。
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瀋陽には日本人が残した建造物が多く残っており、非常に感慨深いものがあります。
左の写真は、遼寧賓館というかつてヤマトホテルと呼ばれた築90年近くの
格式のあるホテルです。
右の写真は、満州国時代に「浪速通り」と呼ばれた瀋陽駅からヤマトホテルに
続く通りです。
前に訪れた時は大雨で道路が川のようになってしまい、すねまで水につかりながら
歩いた記憶があります。
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瀋陽は1931年9月18日に、太平洋戦争が勃発する原因となったと言われている「柳条湖事件」と言う鉄道線路爆破事件が起きた街でもあります。現場近くの陳列館の展示物を見ると、中国人のこの事件に対する感情、この後起きた戦争の犠牲者に対する鎮魂の思い、多くの血が流された上にできた現在の平和な日中関係ひいては世界平和を祈念するメッセージであると感じました。日本人として是非行ってみるべき場所ですので是非行って見て下さい。

陳列館(日本軍が中国を侵略した事を伝えるジオラマなどが展示されています)。
陳列館の入口(「勿忘“九・一八”」は「9月18日を忘れるな」の意味です)。
戦後、中国人によって引き倒された日本軍の忠烈碑。
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瀋陽は清朝の都でもありましたので、「故宮」と呼ばれる日本で言う皇居が
残っており、一般公開されています。
全部を回るのに3時間ぐらいかかりました。
ちょうど中秋節でしたので故宮をバックに月を撮ってみました。

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20111126-西宮南支部-11瀋陽には朝鮮族が多く住んでおり、朝鮮料理が有名ですので、滞在中は専ら朝鮮料理を頂きました。
久々のオモニの味に心温まりました。

戦前に日本人が中国人に非常に迷惑をかけた街である事、中国のどの街の人間よりもそれを覚えている事、また現在、中国にいる自分が日中平和ひいては世界平和に向けて何をすべきかを考えさせられました
私は仕事の同僚や部下からねだられたり頼んだ事を面倒くさがられたりして腹を立て、怒る事は多々ありますが、
彼らを少しでも理解して受け入れていく事が日中平和に向けて第一歩なのかな
と思いながら日々仕事をしている今日この頃です。

今後も中国での新たな発見をご紹介させて頂ければと思っておりますので、
宜しくお願い致します。

それでは、祝大家健康好(皆様お元気で)! 
謝謝!

                    合掌   H.U. in 遼寧省瀋陽