【2月の教会長メッセージ】
先月は、自分にとっての「まず人さま」を問われ、調和と思いやりの心で一年を過ごすテーマを持つようご指導頂き、寒修行で魂を浄め、新しい一年の出発をされたことと思います。
2月の佼成の表紙は、仲睦まじい兄弟の姿です。兄を信頼しきっているその情景に涙がでそうになりました。今月は節分会があり、涅槃会の月です。会長先生は【私心を去る】ということで「愉しく生きる秘訣」は、三つの実践のひとつ『人に呼ばれたらはっきりと「はい」の返事をする』とご指導下さっています。
私心があると素直な返事が出来ないですね。「私心が無理押しを生み、無理押しがとらわれとなり、とらわれが我を張る原因になって進退きわまる」と孔子の言葉から教えて頂きました。「我を張る」とありましたが、我というのは、手に斧をもっている状態で、相手だけでなく自分をも傷つけます。「はい」は「拝」です。相手を軽んじないことで、「はい、はい」と言う時は、本当には分かっていないのはないでしょうか?
体は、暑さ寒さの体温を調節するなど順応します。心も、出来事を選り好みせず、素直に受け入れて順応できればいいのですが、私心が邪魔をするときはそうはいきません。善し悪しを離れ、現実を神仏の「おはからい」と受け取るのは、私心を去るスイッチを入れるようなものと修行のあり方を示して下さいました。
「成功も安らぎもそこから」で、実業家の稲盛和夫さんは「動機善なりや、私心なかりしか」と自らに問われ、事業が世のためになるのか、自分を大きく見せたいといった私心はないかを確認できて初めて実行する。この話から「私心を去る」とは、法と一体になって生きると同時に、仕事や地域活動などの実社会で「公のために働く」という菩薩行の精神に通じるものがあります。無私の心と姿勢はおのずから信頼を生み、やがて自他の利益に結びつきます。年頭法話にありました、何事も「出す」が先ということで、「まず人さま」に繋がっています。無私の人である有能な人物は、人の話しをよく聞いて主張や弁解をせず、いつも最後にひとこと「ごもっとも」といったそうです。人を活かせば自分も活きます。
人の心に寄り添い、安らぎに満ちた人生を歩めるよう、無私の心で、呼ばれたら「はい」と返事をし、温習していきましょう。 合掌