教会長さん【4月の教会長メッセージ】
3月は教団創立記念日があり、本会創立の意義をかみしめ開祖さまに感謝をさせて頂き、11日には東日本大震災犠牲者慰霊・復興祈願法要があり、生かされている命に感謝いたしました。お彼岸には、命の元となるご先祖さまに感謝という報恩の月でした。4月には、お釈迦さまがお生まれになった降誕会、神戸教会発足64周年を迎えます。先達の皆さまに感謝をせずには居られません。感謝があってこそ、ものごとが広がっていき、成就するのではないでしょうか。


今月の会長先生ご法話で、「大きな願いに生きる」ことをご指導頂き、「比べるから苦しむ」と教えて頂きました。「あの家はお金持ちでいいな」と人を羨み、妬む。「私は仕事が出来なくて」と卑下して落ち込む。あるいは「自分ほど有能な人間はいない」と驕慢になる。そして、心の中にある理想の自分と現実の自分とのギャップ、それも比べることによる執着から苦しむことになります。その執着を放すことができると良いですね。

「天上天下唯我独尊」というお釈迦さまのお言葉は、「広大な宇宙にあって、人間は一人ひとり みな尊厳なる存在である」ということを教えています。心の姿勢として、自己の尊厳をまず発見していきましょう。そうすれば、他者の尊厳も発見できて、人と比べる必要が無くなります。

盤珪禅師の「生まれ子の 次第次第に知恵づきて 仏に遠くなるぞ悲しき」の歌のように、「怒りの感情も成長するなかで親や社会から、刷りこまれてく」とのこと。潜在意識を清めて、菩薩行によってコントロールし、自分の意識を変えることが出来れば、怒りの感情から抜け出すことが出来そうです。

他と比べないところに安心がある。その安心とは、不足によるへこみも驕りによる角も無い「まんまるの心」と教えて頂きました。「人が向上する姿に刺激を受けて発奮し、より一層自分を磨く」という縁起の世界から、「自分にとってほんとうに大事なことは何か」と内に目を向けて、まんまるの心になれるよう心田を耕したいものです。

大きな願いに生きるとは、日々のご供養や法座を通して足元の修行を行い、自他の仏性礼拝の心を深めていく、真の信仰者となることです。今月は、自らの仏性を開き、本来の尊厳なる自分を発見していきましょう。  合掌