【2月の教会長メッセージ】
1月17日、神戸教会は、15回目の阪神・淡路大震災犠牲者慰霊法要式典を執り行いました。6,400余名の犠牲となられた方々の御霊のご冥福をお祈りし、今を生きる私たちの更なる菩薩行精進の決定を、仏さまと、御霊にお誓い申し上げました。震災で、私たちは、いのち、仕事、団欒、街並み、思い出を奪われました。しかし、震災は、私たちに、やさしさ、思いやり、絆、仲間を残してくれました。今、時代は殺伐としていて、お互いを繋ぎ合う絆がとても見えづらい、感じづらい状況下にあるように思います。
家族といえば本当に親兄弟の範囲で、それ以外は他人、あるいは友人と他人というように、区別の線がはっきりしていて、お互いが、仏さまの子供同士、人も動物も草木もすべて大いなる一つの命に生かされている分身という命、存在の絆が見えにくくなっているのです。私たちは、お陰さまで、毎日、仏さまの教えを頂き、命のつながり、絆と、すべての命の尊さを拝む生き方を心がけることができます。本当にありがたいことです。たとえ100点満点はとれなくても、大切な生き方を心がけることができるだけでも、とてもありがたく、救われているのです。
会長先生は佼成2月号のご法話で、忍辱の力をお説きくださっています。「怒りに対して怒り返さず、むしろ自分の心を制御する。そこに私の精進があります」という釈尊のお言葉を引用され、怒り返さないことの大切さを教えてくださり、忍辱の第一歩は沈黙すること、さらには積極的に相手に感謝する、柔和に接することで、怒りを柔らげることができること、そのときにもっとも大事なのは、すべての命の根源は一つであり、縁起の世界に生かされているという真理を認識することであると説かれています。
私たちは、大元の一つの命である本仏に生かされている子供であり、一人ひとりが、命の絆で結ばれているかけがえのない尊い存在です。神戸は、やさしさ、おもいやり、絆、仲間(善友)という今の時代が求めるメッセージを世界に発信していく使命を持っているのです。皆さま、自信と誇りと感謝を持って、60周年に向けて精進して参りましょう。 合掌