【10月の教会長メッセージ】
1年の中でも最もさわやかな10月を迎えました。このような時、暮れゆく大空の中を沈む真っ赤な夕日を見ていたりすると人間も自然の一部なんだなとしみじみ思われます。
今月の『佼成』ご法話で会長先生は「自分を知る」と題し、「『自分』の自は独自ということ。
いかなる独自のものも必ず他の独自のもの(仏教では他己という)と共に存在し、全体を構成しています。自己は独自であると同時に、全体の一部分、分であります」とご指導くださっておられます。まさに沈みゆく夕日を見ながら感じさせていただいたことは、この「自分」という字の成り立ちにもつながっていることなんだな、とあらためて思わせていただきました。また、同ご法話の中で、会長先生は道元禅師の有名な言葉「仏道をならふといふは、自己をならふなり。自己をならふというふは、自己をわするるなり」をご紹介くださっておられます。このあとを道元禅師は「自己をわするるというは、万法に証せらるるなり」とおっしゃっておられますが、開祖さまもよくこのお言葉を引用なされて、ではこの自己をわするるにはどうしたらよいかということで経典の読誦をあげておられます。「仏さまの教えの結晶である文言(経文のことば)を一心に唱えていますと、いつしか自己というものが忘れられ、仏さまの大いなる命の中に融け込んでゆきます。その大生命に生かされているのだ・・・という実感が、力強く体全体にひろがってくるのを覚えます」と開祖さまはおっしゃっておられます。また、開祖さまはさらにもう一段次元の高い自己を忘れる道として「人のために悩み、人のために苦しみ、人のために力を尽くすこと」と教えてくださいます。
今月は開祖さまの入寂会そして十日町での生誕地祭りが行われます。このご法のご縁をいただいたことを開祖さまに感謝させていただくと共に会長先生のご指導、開祖さまのおことばをしっかりと真心で受けさせていただき、人さまをお救いさせていただく菩薩行に挺身させていただきましょう。