今月4日には開祖さま入寂会を迎えますが、平成11年の開祖さまがご入寂された年、当時本部にいて儀式のお役に当たっていた者として、最後に2月3日の節分会そして3月5日の創立記念日にお出になられました開祖さまのお姿を鮮明に思い出します。開祖さまは式典のあといつも
「すばらしい式典であった。みなで異体同心となってがんばってほしい」と私たちの労をねぎらい、励ましてくださいました。ロボット博士の森政弘先生(東京工業大学名誉教授)が、「私たちの手のひらは5本の指に分かれていて、そのバラバラの指が、必要に応じて一致協力することで器用に作業ができる」ということを言われていることが『開祖随感』に書かれてありますが、一人ひとりはみな違っていてもその違いがあるからこそ、一つの心で物事を行っていくときには大きな力を発揮できるのでしょう。日蓮聖人もそのご遺文の中で、「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶う事なし」と異体同心で僧伽が一つの心になって精進していくことの大切さを述べておられます。
10月号『佼成』で、会長先生は「心をあわせる」と題し、一人ひとりは、みな独自の個性を持っていますが、大きな視野に立って目的を見失わず、心をあわせていくことの大切さを説かれておられます。そして「異体同心ということを大事にされた開祖さまは、宗教協力活動や明るい社会づくり運動を推し進めるなかで、互いの違いを認め、そこから学んでいこうとされました、合掌の精神をもって、相手をすべて善智識として受け入れていかれたのです」とご指導くださっておられます。
今月はこの尊いご法のご縁を頂きましたことを心より感謝させていただくと共に開祖さまが最も大切にされた「異体同心」の心で、一人でも多くの方にこのみ教えをお伝えできるよう、精進させていただきましょう。合掌