8月ももう終わりです。皆さんはどの様なお盆を過ごされましたか?
筆者は、新大阪から朝一番の山陽新幹線に乗り込み、故郷へ向かいました。途中下車して、夫の両親の墓参りを無事済ませた後、30年来の念願だったすぐ近くにある岩国城に行きました。天守閣に登ると眼下に見える錦帯橋の素晴らしさに圧倒されてしまいました。

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岩国城天守閣より見る
錦(にしき)川に架かる錦帯橋

 再び新幹線に乗り込み、夕方故郷の駅にやっと到着です。翌日、今度は筆者の両親の墓参りに行きました。墓参りをすると、何故かいつもとても心穏やかな気持ちになるから不思議です。一年ぶりに両親の眠る場所へ戻ると、あぁー今年も帰ってきたなぁーと思います。

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最近、幼い頃のことをよく思いだします。先日ふと、七夕まつり(筆者の故郷は8月7日に行ないます)を思い出しました。七夕の願い事を書く際に、朝早く畑に行って芋の葉(里芋や水芋の葉)に朝露が溜まっているのを集めて、その露を持ち帰り硯(すずり)の水にして、それで磨った墨で、七夕の短冊に願い事を書いていた事を思いだしました。この話を姉に話した所、(かきてながすは たなばたのうた)という言葉を思い出してくれ、もう一人の姉がその上は、(いものはの つゆをすずりの みずとして)と教えてくれました。二人の姉の記憶から一首の歌が繋がりました。これは、亡き父がまだ姉達が幼い頃に話してくれた事を二人で、わずかな記憶をたどりながら、半分ずつ思いだしたのです。

        芋の葉の 露を硯の 水として 書きて流すは 七夕の歌
 
 これが短歌なのか、何なのかこの前後に何かつくのか、それ以上は分かりませんが、ともかく亡き父は、この様な風流なことをよく話してくれたそうです。
故郷のお盆は、以前のように親類中が集まり、先祖を偲び、食事を共にする家もだいぶ少なくなりました。しかし、故郷に帰り墓参りをして先祖を想い、生前の両親を想い、色々な思い出話ができることは、何事にも代えがたい素晴らしい時間だと思います。
今年も故郷に帰れて、本当に有り難く嬉しく思いました。
                            
合  掌