今年は寒さがゆるみ、靄がかかっていた。
12月5日(木)4時30分過ぎ、二反余(30m×70m)の水田に立った。のどかな田園風景が広がり、辺りは明かりが全くない。ただ今年は周りの水田が転作で、刈られた黒豆が逆さに干されていた。
例年、浄火によって燃やしていくが、燃え盛る炎の勢いで、彼岸会・盂蘭盆会・追善供養戒名用紙が一枚一枚地上に舞い上がることがあり、黒豆への飛び火を心配した。
そこで、炎が穏やかになってから、お題目を唱えつつ丁寧に燃やしていくことにした。
まず、北東から「南無妙法蓮華経」とお題目を唱えながら塩、米、酒で、四方を清めた。
午前5時から「お焚き上げ」開始。
炎の近くでは、熱くて2,3秒とも炎に顔を向けることは出来ない。火は恐ろしいと感じた。
幸い風もなくおかげさまで戒名用紙は、地上に舞い上がらなかった。夜明け前の時に赤い炎に映し出される人の姿は神秘なものである。
前日の4日(水)開祖さまご命日の日、佼成輪読会・躍進輪読会、各支部より預かったお札等一式を全員合同リレー方式で、一階から二階のご宝前の前に上げた。そして真心からお焚き上げ祈願供養をさせて頂いた。
ご供養後二台の自動車で、お焚き上げ現場に運んだ。
既に太い薪と細い枯れ枝等で小ピラミッドが作られていた。田んぼの提供者のF組長さんのご夫婦によるものである。
ご夫婦は、毎年消防署に届け出され、田舎といえども自治会長はもちろんのこと、集落内の方々に事前にお断りをされているのである。
また、田んぼの切り株が掘り起こされ耕してあるのに、お焚き上げする周囲は耕されていなかった。その理由は簡単である。お焚き上げする私たちの足元のことを思ってのことである。
毎年、採れたての野菜を並べられ、その提供はもちろんであるが、目に見えない所でいっぱい仲間のことを思って頂いている。
私たちはそうした温かなサンガに囲まれている。有り難いと感じずにはおれない。私の出来ることは喜んでさせて頂こうと思った。
一年間お守り頂いた神棚のお札、戒名用紙、経典、お襷等に感謝の心を捧げ、諸願成就を改めて祈念し、無事お焚き上げをさせて頂きました。
多くのおかげさまのおかげで、生かされていることに感謝させて頂きます。感謝、感謝
合掌 U壮年部長