支援級の子供達が育てた学校の畑の夏野菜、ジャガイモを使っての調理実習。
家庭科室に入ると長男は他の子供たちと同じように給食当番の白衣を着て参加していた。
普段家ではやりたい放題、なかなか私の言うことを聞かず手を焼いているのが
嘘のように、先生の指示を聞き、野菜の皮を剥いたり油の入ったお鍋の近くではじっとしたりしていた。
「揚げ物はお母さん、協力してください」と言われたので、長男のそばでガスコンロに火を点けた。
「だんだんと熱くなるからここを触ったら危ないよ」と言うと
長男は興味津々ながらも、下がって静かに見ていた。
そこへ一つ学年上のお兄ちゃん(長男と同じ特性がありそうな子)がやってきた。私は同じように危ないよと注意したが、全く言うことを聞かない。
火傷をさせてはいけないと思い、先生にお願いして、何とかそこから離れてくれたが、その後もあっちでフラフラ、こっちの椅子にゴロン~
そんな姿を見ながら、普段わが子しか見てないことに私はハッとした。
注意や叱ってばかりいたけど、みんなこの年の子はそんなんなんだあ~、長男はこういう時にはわきまえて行動できるようになっているんだなと長男にまた、感謝の思いが込み上げてきた。
また、先日お導きしたママのお子さんが長男と同じテーブルにいて長男が危なっかしい手つきでピーラーを使っていると、「Kちゃんが心配だから、ここで見てる」と言ってくれ、そんな優しい心にも感激した。
普段は手がかかる上に懇談会も行事も普通学級の子の二倍!と文句の出る私だったが、長男のおかげでこんな優しい子にめぐり逢えたり、たくさんの良き先生方との出会いがあり、「苦労は楽の裏返しなんだなー」と教えをかみしめた。(45歳主婦 T.S)