今こうしてベランダを見ていても、あれほどピーピーと賑やかだったのが
嘘みたいにシーンとしています。2月10日に一回目の巣立ちの練習をしてから
早一週間。この頃は夜も帰ってこなくなりました。卵からヒナになり、巣立つまで
毎朝毎夕言葉をかけてお米をやり寝床を作り雨の心配をし・・・
まるで娘がお産に帰ってきたみたい、と主人と2人して楽しんでいました。
親が帰ってくると、毎回ピーピーと大騒ぎをして
我先に母親の懐で甘えていた2羽は、前回と同じように巣立ちが近付くと
親が何回も飛んで見せ「おいでー」と一緒に練習をしていたと思ったら
いつの間にか巣立っていました。
主人と「行ったんやー」と2人してホッとしたり淋しさを感じたり
数え切れないくらいの感動と幸せを残してくれました。
ある日、高2の孫が母親と喧嘩したと言って来ました。
孫の言い分をしっかり聞いた後、ハトの所に行って
私が手を出すとピーピー鳴きながら寄ってきます。
その様子を見ていた孫が
「ハトは野生やから決して人の手には触れないのに。親と思ってるのかな?」
「心が通じているのかな?」と、何か心に思うことがあったらしく
「アーちゃん、今日はありがとう。お母さんに謝るわ・・・」と。
また「ハトの親子の事を友達やボランティアで行く子供園の子供達にも
話してあげるわ・・・」とも話していました。
そして私の頭をなでながら、こうも話してくれました。
「アーちゃん、ちちんだんちがうか?」
「アーちゃん長生きしてや、頼むよ。きっとやで」と優しい言葉をくれます。
この孫も以前、仲間から妬みを受けシカトをされる・・・大きな試練がありました。
今は全てを乗り越えてその時の辛さ・苦しさをバネにボランティア委員長として
人の役に立てる日々を送っています。
ハトの親子がくれた絆、優しさ、思いやりを心に私も孫に負けない様
これからの残された人生を一日一日大切にしながら生きていこうと
思わずにはいられませんでした。
今、私の心はすごく幸せです。ありがとうございました。