3月15日、釈迦牟尼仏御命日の式典中の「チャンネルHATI」で「僕を支えた母の言葉」という映像を見せていただきました。それは、作者の友人の方のお話で、昔、お母さんがいつも、こう言ってくれていたという言葉についてのお話でした。小さい頃から、女手一つで育ててくれたお母さんは、自分が何か問題を起こす度に「大丈夫、あなたは素晴らしい」といつも言ってくれた。でも、その事にも反発した自分はますます悪の世界に入っていった。けれども、お母さんは、ずっと自分を信じ、励ましてくれていた。そのお陰で、自分もまじめに働くようになり、お母さんに親孝行をしようと思った矢先、お母さんが亡くなってしまった。その時、お母さんは実のお母さんではなかったということを知らされた、という内容のものでした。このお話が画面を通して流れると、周りから鼻をすする音が聞こえてきたりして、私も同様に、涙がポロポロこぼれてきました。なぜこんなに涙が出るのかと自分に尋ねてみると「母の言葉」にある言葉「大丈夫、あなたは素晴らしい」は、私が息子に言い続けてきた言葉と同じだったからです。息子は東京に出て20年余り。自分のやりたい事をやりたいと言って、漫画家を目指しましたが、一向に芽が出ず、私も周りから、「もうそろそろ、お母さんから帰ってくるように言いなさい」などと言われ、やんわりとですが、私が甘いと責められているようでした。私は、私一人だけでも息子を応援してやりとの思いから、何年も何年も息子をほめ続けました。今年になって息子から、「お母さん、プロの編集者さんがぼくに付いてくれることになったよ」との電話を受け、私は一人喜んで、ご宝前に報告したのでした。この先どうなるのかは分かりません。でも「母の言葉」に涙した私はすっきりとした喜びの涙でした。合掌 Y