日々ありがとうございます。

旧暦では節分明けから新しい年となります。今年は、「癸(みずのと)卯(う)四緑木星(しろくもくせい)」の年です。今まで準備し育んできたことが十分に実り、芽吹き始め、努力がいっぺんに実り始める年になりそうです。また、「交流」の気が満ちる今年のキーワードは「ご縁」です。様々な出会いの中で“お陰さま”を探して感謝や労いの言葉を口に出してまいりましょう。「ありがとう」があなたの人生を整えてくれます。

今月の会長先生のご法話は「『他人事』を『自分のこと』に」です。釈尊の「三つのおごり(若さ・健康・生命)」というお諭しを通して、「神仏、そして大自然から頂戴した限りある命ですから、その不思議さや有り難さに早く気づき、与えられた生をいつでも精いっぱい生きることが大事です」と教えてくださっております。

会長先生は、開祖さまが少しずつ衰えていかれるお姿を間近で見られながら、「自分もあのように老いていくのだな」と漠然とお思いになっておられましたが、実際にお年を重ねられるにつれて、老病死を切実にご自分の問題として受けとめられるようになられたとお伝えくださっています。

そして、「経験を重ねると、私たちは人の気持ち、とくに人の悲しみや苦しみがよくわかるようになります。それは、人間が成長することで、仏に近づいていくことです」とご指導くださいます。今ある命とその有り難さに早く気づき、自他ともに救われる思いやりの実践を通して、感謝と喜びの日々を送ることで「真に健康な人生」にしていきましょう。

先月17日、阪神淡路大震災犠牲者慰霊法要式典にて説法されたAさんは、震災で被災され避難生活をされている中、ご主人を事故で突然亡くされました。幼いお子様たちとどんな思いでおられたかを想像するだけで胸が張り裂けそうでした。まわりのサンガの皆さまが温かい心を寄せてくださり、またAさんご自身もそんな中、苦をもっているお友達のお導きや手どりをされたことを聞き、この教えのすばらしさを感じました。まさに利他の精神です。

今月は、涅槃会の月です。会長先生より「元気で精進を」と今年の心構えをいただいております。「三つのおごり」を内省し、与えられた命の最高の使い方(他人事を自分のことにして思いやる実践)をし、元気で生き生きとした精進を皆ともにさせていただきましょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。

合 掌

教会長 西村  季代子