ある日、夕飯の買い物をして家に帰る途中のことでした。
ふと振り返ると道の反対側を年配の男性がおぼつかない足取りで歩いているのが目に入りました。「大丈夫かな」と見ていると、勢いよく顔面から転倒してしまいました。
びっくりして駆け寄ると、「大丈夫、大丈夫・・」と言いながらも立ち上がれない様子でした。しかも額に切り傷とたんこぶができていました。私は「大丈夫ですか?血が出ていますよ」と、おろおろしながら血を拭いてあげることしかできませんでした。
すると、通行人の女性が足を止めてくださいました。男性がなんとか起き上がろうとするので二人がかりで手助けしますが、体に力が入らないのかまた横たわってしまいました。「大丈夫だから、放っておいて」と言いますが、そのままにしているわけにもいかず途方にくれていました。
すると、また人がやって来て「よかったら車でお送りしましょうか?」と言ってくださいました。男性が「そこの○○という家だから」と言うので私は急いでその家に行き、奥様と息子さんが出て来られたので事情を説明し、男性を連れて帰って頂きました。
心配そうに遠巻きに見守っていた人たちも何人かいました。お礼を言うと皆さんほっとした様子でその場を離れて行きました。表現の形は違っても、人には誰かの役に立ちたいという思いやりの心があるのだなと感じました。たくさんの人の優しさに触れ、心が温かくなりました。(スタッフK)