【1月のメッセージ】新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大の中、何度も緊急事態宣言が出る中で、教会発足70周年記念の取り組みができましたことに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

今年は、神戸教会としても、新たな一歩をふみ出し、「教えによって救われる喜びを真に実感できること」をめざし、誰ひとり取り残さないよう、惜しみなく寄り添える私たちでありたいと願い、布教実践していきたいと存じます。今年も教会に集合しての大きな行事等は見合わせております。支部ごとの教会健幸行と一般の自由参拝は午前中としております。引き続き収束祈願と感染予防対策をしてまいりたいと思います。今年も即是道場修行をお互いさまにさせていただきましょう。何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

今月の会長先生のご法話は「時代のキーワードは『利他』—布施①」です。冒頭に、「コロナによる災禍のなかで、私たちは多くの学びをしてきました。その学びを智慧と慈悲のはたらきに換えて、心休まる家庭とあたたかな地域社会をつくる菩薩として、急がず休まず、精進を重ねて参りましょう」と今年の心構えをいただきました。

仏の教えを学ぶ私たちにとって、もっとも大切な教え、精進とは、「忘己利他(人を思いやり、自分にできることで安心や喜びを与える布施行)」の教えだとご指導くださっています。弘法大師さまは、「釈尊の教えをひとことでいうと、自利(この身のままで仏になること)と利他(六波羅蜜の布施)に尽きる」といわれ、これが仏教の肝心かなめとお諭しくださっています。

会長先生は、コロナウイルスという因から生じた結果という意味で「コロナ果」とも表現され前向きな側面ととらえることができると教えてくださいます。この2年間にも会員さんの中でも、「コロナ果」を体験された方はたくさんおられます。コロナ感染で入院をされた会員さんのために支部一丸となり、祈願供養と布教をしてくださいました。まさに利他の精神です。無事退院された会員さんは、みなさんの祈願のおかげさまと医療従事者の方が大変心を寄せてくださり安心して療養できたと感謝のお布施をされました。

「布施」には、「財施・法施・身施」があります。「布施は不貪なり」(道元禅師)といわれるように、貪らなければ、その分が他の人のもとに届くので、おのずと布施をすることになると教えていただきます。「諸苦の所因は 貪欲これ本なり」(譬諭品第3)といわれています。「貪らない」利他の実践をし、慈悲の心をもちたいと思います。

今月は、会長先生より「御親教」をたまわり、1年の心構えをいただきます。17日は阪神淡路大震災慰霊法要式典、後半からは「寒修行」が始まります。「コロナ果」を意識し、すべての現証を前向きに善縁と受けとめ、あたたかな家庭、あたたかな職場、あたたかな地区・支部となりますよう、「利他」の精神で布施行をして参りましょう。

合 掌

教会長 西村 季代子